〔檸檬〕(レモン)短編小説。「青空」大正14.1 創刊号。昭和6.5、武蔵野書院刊の『檸檬』に収録。「えたいの知れない不吉な塊」に心を圧せられているような状態の「私」は、レモンを一つだけ買って丸善書店に入る。積み上げた画集の頂に乗せたレモンは、「カーンと冴えかへつ」て見えた。「私」は、そのまま店を出る。美的瞬間を最高とする傾向の発揮された鮮麗な場面、展開を持つこの作は、今も愛読されている。
-日本近代文学館, 小田切進編『日本近代文学大事典』第1巻人名(あーけ)講談社, 1977, p. 375-377.
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